1日目のメインは、慶應義塾大学商学部客員教授で商学博士の中島隆信先生の講演です。
「経済学の視点からみた障害者の自立支援」という演題で講演されました。先生には脳性マヒがあり車イスの生活をされているお子さんがおられ、ご自身の体験に基づく視点と、同大学から内閣府へ出向されてのお仕事からの視点など、様々な観点から障害者の支援について説明されました。
いくつかのポイントとしては、福祉の事業は事業主がまだまだ行政頼みの姿勢が大きく、運営する施設の顧客であるはずの障害者の立場にたった運営に目が行っていない現実と、顧客であるはずの障害者は、あらゆる経済活動の基本的な行動である「消費」を担う一員であることの認識と行動が大切、とされました。
また、その延長線上のお話として、障害者は事業を支える生産者にならなければならず、事業に利益をもたらすよう一般企業と同様に「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)による作業や業務の効率化も必要とされました。難しい経済学を、統計的なケーススタディを取り入れたりしながら、身振り手振りを交え、原稿を一切見ないでよどみない講演には、終了と同時に大きな拍手が沸き起こり、質疑応答も活発に行われました。